カフェを黒字化するための経費削減のコツ!廃棄ロスや人件費を減らすには?
カフェを経営していく上で、あまり利益が出ない、効率が悪いといった悩みはつきものです。
これは、カフェに限ったことではなく、どのような商売にも当てはまります。
開店当初は、グングン売上が上がっていくように見えていた推移も、やがて落ち着き、売上の限界点が見えてきます。
売上が上がらない、でも利益は出したいと思ったときに行うことが、経費の削減です。
入ってくるお金が同じならば、出て行くお金を減らすしかありません。
今回は、カフェを黒字化するための、経費削減のコツを説明します。
カフェを黒字化するために何をするべきか?
カフェを黒字化するためには、細かな数字の分析とシミュレーションが必要です。
何年(数ヶ月)かカフェの経営を行うと、どの項目(仕入れや光熱費など)にどれくらいのお金がかかるのか、その数値が安定してきます。
当然、黒字化を考えるのであれば、これらの数値は頭の中に入れておく必要があります。
そのためにも、開店当初から、細かな帳簿付けやお金の分析作業などは必須といえるでしょう。
この数字を掴んでから初めて、どの項目を重点的に対処していくかを考えることになります。
事業のお金といえど、考え方は自分の生活費と同じです。
給料を貰い、家賃にこれだけかかって、光熱費がこれだけで・・・
などと考えて、「じゃあ、小遣いはこれだけ」と決まります。
その小遣いが少ないと感じるのであれば、どこかを節約していく。
この作業と全く同じです。
事業の場合、経費の削減を考えるときは、まずは家賃などの固定費よりも、月によって支払い金額が変わる、変動費に注目してください。
固定費の削減も非常に重要なのですが、奥の手として考えます。
変動費は、やりようによっては大きな効果が出ることがありますし、事業形態の変化にも繋がり、効率的な経営に一役買ってくれますので、まずは変動費を考えてみましょう。
食材の廃棄ロスの防止を考える
飲食業で、もっとも無駄と思われるのは、食材の廃棄ロスです。
使わない食材、過剰な仕入れは、経費を圧迫すると共に、その食材の生産者に申し訳ないです。
この食材の廃棄ロスを防ぐためには、自分のカフェに来店する人の観察が必要となります。
どのメニューが沢山注文され、お客様はどのようなニーズで来店されているのかを分析します。
1回の来店だけでなく、週単位、月単位で考える必要も出てきます。
分析により、いつどれだけの仕入れが必要なのかを把握します。
ここに加えて、メニューの効率化を図る必要もあります。
滅多に注文されないメニューが、いつまでもメニューの中に残っていると、そのメニューに対する仕入れをいつまでも行っていかなくてはなりません。
このようなメニューはいっそのこと削除してしまうというのも方法の1つです。
メニューが削除できれば、その分の仕入れは必要なくなりますし、そのメニューに事前の仕込みが必要であれば、その作業もなくなります。
後述する人件費の削減(労働時間が減るため)にも繋がり一石二鳥です。
人件費を削減する
人件費は、小さなカフェにとっては大きな比重となる経費です。
これを何とかすることに成功すれば、大きく経費削減を行うことができます。
まずは、勤務時間の見直しです。
ここでもやはり「分析」という作業が必要になります。
お客様が居ない時間にまで、アルバイトを雇ったりしていれば、その分は無駄です。
適正な勤務時間を設定し、効果的な雇い方を実施する必要があります。
そのためにも、お客様の来店具合を把握する必要が出てきます。
一般的には、ランチタイム、土日祝日、カフェの提供メニューによってはディナータイムと大雑把に考えると、この時間帯で人手が必要になると考えられますが、特に土日に関しては時間まで細かく分析する必要があります。
アルバイトの労働時間を減らし、人件費を削減していきます。
予断ですが、従業員(社員だけでなく、アルバイトやパートも含む)を雇うと、労災、雇用保険、社会保険に加入する必要があるかもしれません。
労災は、従業員の身分に関係なく、1人でも雇えば加入となりますが、あとの2つに関しては、何人雇って、労働時間や働く日数、カフェが個人か法人かで変わってきます。
もちろん、従業員の労働時間が短ければ、加入の必要なしということもありえますので、そういった公的な保険料の支払いを抑える、又は無くすということにも繋がっていきます。
固定費の削減を考える
最後に、固定費の削減についても注目してみましょう。
一番大きな経費となるのは、地代家賃(賃貸テナントを利用している方)と思いますが、これは削除することはできません。
1度開業してしまうと、「安い物件があったから」といって、そう簡単に移転はできません。
大家さんに「売上が厳しいので、家賃を下げてください」などと交渉しようものなら、「このカフェはいつ飛んでも(夜逃げ)おかしくない」と判断され、極端なケース、出て行けとも言われかねません。
注目するのは以下の3点です。
光熱費
光熱費の削減は、業種を問わず、どこの会社でもやっています。
手法としては、節電や水道の流しっぱなしの防止などです。
節電(冷暖房の温度設定や照明の間引きなど)に関しては、お客様側へ影響が出ることもありますので、よく考えてから行ってください。
通信費
カフェを経営するだけであれば、大きなカフェで常にお客様にもwifiサービスを行っているというのでもなければ、ネット回線に関してそれほど速いものは要りません。
プランの見直しを一度考えて見ましょう。
そして、連絡手段で必須となる固定電話や、携帯電話、個人の経営なのであれば自分の携帯のプラン見直しも必要かもしれません。
遊びのために契約するのではありません。
「連絡が取れればいい」という本来の目的が達成できれば良いだけですので、それを踏まえて契約プランの見直しを行いましょう。
無駄な契約
契約プランの見直しということで、他の契約についても考え直して見ましょう。
思い切って無駄な契約を切るという判断を行います。
店舗の運営上必要な契約は必要ですが、税理士に経理を委託するとか、社労士に手続きを依頼することなどはその最たるものと考えます。
「わからないから」委託しているのかもしれませんが、個人で提出することが認められている、「必ず○○を通して提出しなくてはいけない」というものでもない限りは、少々勉強すれば対応が可能です。
業務委託をするのは、勉強してもさっぱり分からないといった場合に委託しましょう。
カフェによっては、様々な契約を取り交わしているかもしれません。
1つ1つ精査し、どうしても手に負えない事項に関しては、年間契約から随時の契約、もしくは契約解除と経費の削減を行っていきましょう。
まとめ
「カフェを黒字化するための経費削減のコツ!廃棄ロスや人件費を減らすには?」ということで経費削減について説明してきました。
カフェの経費削減と言っても、家庭の支出を抑える(節約)という作業と変わりはありません。
必要なもの、無駄なものを判断して、経費を抑えていきます。
そのためには、細かな数字の分析が必要となり、毎日の数字の積み重ねが必須です。
ただ、必要なものは必要ですので、あまり経費を削減しすぎて、客足や来店したお客様に影響が出るような経費の削減は、極力避けて考えましょう。
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