カフェ経営で地味に大切な音楽。お客様の居心地をよくするBGMとは?
カフェを経営して、日々の業務をこなしていく中で、いかにお客様に喜んでもらうかは、重要な課題です。
おいしい料理やコーヒーなどのドリンクといったものは、当然ですが、居心地というものも大切な部分です。
カフェに来るお客様は、「落ち着き」を求めてきます。
居心地のよいカフェにするためには、内装などの装飾も重要ですが、何気なく流れている音楽も居心地をよくするためのツールの1つです。
今回は、「カフェに来るお客様の居心地をよくするBGMとは?」ということで説明します。
カフェに来るお客様の居心地をよくするBGMは何か?
カフェに来るお客様が居心地よく過ごせるBGMのオススメは、インストゥルメンタルの曲となります。
インストゥルメンタルとは、歌の入っていない曲のことです。
歌の入った曲の場合、その歌(または歌詞)に気をとられてしまいます。
気を取られるということは、頭の中で何かしら考えてしまっているということです。
極限の居心地のよさというのは、お風呂の中で、寝オチしてしまう直前のような、完全なリラックス状態が作られるということです。
さすがに、カフェに来店されて、寝られてしまっては困りますが、それに近い状態を作り出すことが、「落ち着き」を求められた時のカフェの役目です。
何も考えずに、自然とコーヒーに口をつけて、心の芯からリラックスできるカフェを作っていきましょう。
カフェの音楽はインストゥルメンタルなら何でもよいのか?
インストゥルメンタルの音楽と言ってもジャンルは様々あります。
ジャズやロック、テクノやポップス。
そのジャンルの中でも、テンポの速い曲、遅い曲と多種多様です。
これに加えて、そのカフェのイメージというものを総合して考えて、一番適正な音楽を決めていく必要があります。
ですので、残念ながら、「この曲が1番」と言い切ることはできません。
内装が木造で、洋風、少々暗めの照明で渋いイメージとなってくれば、落ち着いた、静かめなジャズなんかが当てはまるかもしれませんし、逆に店内が明るく、女性の来店が多いというのであれば、少々ポップな曲がピッタリ来るかもしれません。
極端に考えると、ゴリゴリのハードロックが好きな人が集まるような、ちょっとやんちゃな立ち飲みバーのようなカフェの場合、ナツメロのインストゥルメンタルなど流している場合ではありません。
下っ腹に響くような、ハードロックだったり、ラップ調の音楽となるのではないでしょうか。
そのカフェにあったイメージの音楽を選んでいきましょう。
歌付きの音楽は使ってはいけないのか?
カフェの音楽に歌付きの音楽を使って悪いということはありません。
インストゥルメンタルの曲をオススメしているだけです。
歌付きの音楽には、インストゥルメンタルとは違った利点があったりもします。
まず、最新の曲や有名な曲を取り入れたりすれば、来店されたお客様もその曲を知っているかもしれませんし、知っている曲が、そのお客様のお気に入りであれば、その時間は最高の時間に変化してくれるでしょう。
お気に入りでなくとも、嫌いでなければ、その曲に聞き入って、お客様のリラックスに一役買ってくれるでしょう。
この文面で、気づかれたでしょうか?
「嫌いでなければ」です。
歌付きの曲の欠点がここにあります。
歌が付いていると、その曲が一発で分かってしまいます。
一方、インストゥルメンタルの場合は、パッと聞いただけでは、何の曲か分からない時もありますし、原曲に歌が付いている曲をインストゥルメンタルに編曲すると、イメージが変わることも多々あります。
それらの作用のおかげで、嫌いな曲だとしても、気づきにくい部分があります。
嫌いな曲が流れてしまっては、カフェ側が内装や応対などで、いくらいい雰囲気を作ろうとしても、お客様の心の中が変化してしまいますので、カフェ側では対処ができません。
言葉は悪いですが、このごまかしのためにも、インストゥルメンタルがオススメと考えます。
カフェにおける音楽の役割について
これまでは、「どんな音楽がよいのか」という視点で説明してきました。
ちょっと、話をそらして、「音楽の役割」というものを考えてみます。
音楽により、お客様の心理を操ることができる。
絶対にというわけではありませんが、音楽は、人間の心理を変化させる作用を持っています。
アップテンポの曲には、お客様の注文や、席の回転を早くする作用があり、スローテンポの曲には、お客様を長く居座らせる効果があります。
威勢のよい居酒屋でジャズが流れているのを聞いたことがない(探せばあるかもしれませんが)のは、このためです。
お客様の回転率が勝負の居酒屋では、居心地よく(最低限は必要な要素ですが)長く居座ってもらう必要はありません。
アップテンポのノリのよい音楽を流し、ガンガン飲んでもらい、早く限界を感じて席を開けてもらいたいのです。
では、落ち着いたスローテンポの音楽が流れているところはどこか。
それは、バーとなります。
バーは、お客様の回転率が多少悪くても、客単価が高く、原価率も低いため、高回転率は元々望まれていません。
このように、その店の形態に合う音楽というのが、自然と選ばれているのです。
カフェのイメージに一致した音楽を選ぶ重要性
前述していた2つのカフェ「内装が木造で、洋風なイメージで少々暗めの照明で渋いイメージのカフェ」と「ゴリゴリのハードロックが好きな人が集まるような、ちょっとやんちゃな立ち飲みバーのようなカフェ」を比べてみましょう。
この2つにオススメな音楽は、前述のとおりとなりますが、これを逆に考えてみてください。
頭の中で、お店をイメージして、前者のカフェにハードロックを流して、後者のカフェに静かなジャズを流してみてください。
違和感が沸いてくると思いますし、居心地悪く早く帰りたいという心情が容易に創造できます。
例え自分が大好きな曲だ、自分の思い入れのある曲だと思っていても、それは、あなたがそう感じているだけであり、万人がそう感じているわけではありません。
万人が気に入る絶対的なる音楽は存在しませんが、あまりにも偏った選曲となってしまうと、自分でカフェのイメージに合わない音楽を選んでしまうリスクを増やすことになってしまいます。
どうしてもこの曲ははずせないという時は、数曲程度に抑えましょう。
カフェの音楽を手に入れる方法は?
カフェの音楽を手に入れる方法は、有線放送、インターネット、CDなどの媒体と各種存在します。
自信のある人であれば、自分で作曲しても面白いかもしれません。
ただ、自分で作曲しないで、他人の曲を使おうとすると、必ず問題が発生します。
著作権に関する問題です。
有線放送やインターネット(著作権はかかりません=著作権フリーと書いてあるサイト)であれば、料金がその中に含まれるため、問題はありませんが、CDなどの媒体を購入して使用するという場合には、著作権料を支払わなければなりません。
JASRAC(ジャスラック)というところが取り締まっていますので、そこへ申請する必要があります。
私は、この組織を正直好きません。
どこかの公的放送社(N○K)と同等な、気に食わない組織の1つです。
著作権料は要らないと言っているミュージシャンの楽曲に、著作権料を掛けたり、そもそもの著作権料の分配があいまいだったり、公務員の天下り先だったりと、叩くとホコリが一杯出そうな組織です。
しかしながら、現在では決まりとして著作権料を払わなくてはならない状態ですので、著作権フリーの楽曲でない限りは、支払う必要がありますので注意してください。
以下は、代表的な契約金額です。
- 有線放送・・・月6000円(プラス初期費用ありだが、各種キャンペーンを随時行っているため、月額金額や初期費用は変動)
- インターネット・・・月690円(らくネット)
- CDなどの媒体・・・媒体の購入料金+JASRACへの支払い
http://www.internet-yusen.com/
JASRACの著作権使用料は500uまでのお店なら年額6,000円です。
ちなみに予断ですが、普段の営業時には著作権フリーの音楽を流していても、カフェの中で音楽を演奏することがあるという場合、誰かのコピーを演奏するとなると、この場合でも、著作権料が発生するらしいですよ。
まとめ
「カフェ経営で地味に大切な音楽。お客様の居心地をよくするBGMとは?」ということで説明してきました。
カフェにおけるBGMというものは、心の中に作用してくるものです。
カフェのイメージと、流れているBGMに大きな違いがあると、そこは落ち着きどころか、居心地が悪くなり、カフェに来店してくれるお客様の目的を達成させてあげることができなくなります。
自分のカフェのイメージに合わせた選曲が必要となります。
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