カフェ開業を成功させるにはコンセプト作りが超重要!
カフェ開業だけではなく、全ての業種において、開業する際にはコンセプトというものを明確にしておく必要があります。
このコンセプトの設定が中途半端のままスタートしてしまうと、最終的にはあれやこれやと手を出してしまい、まとまりのないお店になってしまうばかりか、お店の信念というものがお客様に伝わらず、リピーターを作りにくい。
結果として、安定した売上が出ない。
そんなお店になってしまいます。
今回はこの一番重要な、コンセプト作りについて説明します。
カフェ開業を成功させるにはコンセプト作りが超重要なのはなぜか?
カフェ開業を成功させるには、揺るがない信念とも言えるコンセプトがなければ、成功はありえません。
成功という終着点をどこに持っていくのかは、それぞれのカフェ開業を考えている方々によりますが、どのような終着点であっても、カフェ開業を考えた場合、コンセプト作りは一番最初に行う作業となります。
自分のカフェのコンセプトとお客様のニーズが一致した時に、初めて来店ということになります。
コンセプト作りをする際に、以下のようなことを考えることが必要です。
- 自分の信念は何なのか?
- どの程度の専門性のカフェにするのか?
- そのカフェの特徴は何か?
- そのコンセプトを実現するために何をしなくてはいけないのか?
後述で、順を追って説明しますが、4以外のものは、そのカフェの方向性を打ち出すものです。
これがブレてしまうと、カフェの向かう方向があちこちを向いてしまい、新たに物事を決めようとしても、苦労する事態が発生します。
逆に、コンセプトがしっかりと固まっているようであれば、そのコンセプトを実現するためにその新たな物事が必要なのか否かを判断するだけとなり、決断も早まります。
カフェ開業時に決めるコンセプトは、その後の経営においても、非常に大切なものになりますので、時間を取ってゆっくり、かつ念入りに決める必要があります。
以下、コンセプト作りとして、考えるものを説明します。
1.自分の信念は何なのか?
あなたは、なぜカフェを開業しようと思ったのですか?
カフェ開業を決意させた信念は、心の奥底から湧き上がってきたものであり、誰かに植え付けられたものではないと思います。
この信念は、非常に重要なものとなります。
その信念に基づいて行動している限り、つらいことがあってもがんばれます。
逆に言えば、自分の信念に反する行動を行うと、ストレスを感じてしまいます。
カフェ開業準備中はもちろん、開業後もカフェの経営とは苦難が繰り返しやってきます。
普通のサラリーマンなどよりも、経営者という立場の分、プレッシャーは比べ物になりません。
売上が出なければ、生活できない。
当然ですが、サラリーマンと違って、何時間働いたらいくら貰える、というものではありません。
1日カフェを開けていても、1人も来客がないかもしれません。
経営者は、常にこの不安とプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、日々努力しているのです。
つらそうに見えますが、内心は楽しくて仕方ありません。
それこそが、自分の信念に基づいた行動だという証拠です。
私も、脱サラ→カフェ開業と歩みましたが、正直、カフェ開業後のほうが、体は元気ですし、毎日濃厚な時間を過ごしています。
勤務時間や休日については、「よくこれで体が壊れないな」と思うほど労働してるにも関わらずです。
信念に基づいた行動は、ストレスというものを感じさせません。
おかしな新興宗教のような感じですが、事実、身をもって経験していますので、間違いありません。
この信念はいつ、いかなる時も忘れてはいけない、カフェの土台となる部分ですので確認しておきましょう。
2. どの程度の専門性のカフェにするのか?
カフェという業態で見るならば、専門性という部分が重要になります。
コーヒー(飲料)を推していくのか、それともフードを推していくのか。
飲食である限り、この2つのどちらかに絞られると思います。
どちらを推していくのかを決めることができたら、それをどこまで専門性を持たせていくのかを決めます。
コーヒーを推すのであれば、コーヒーを淹れるための技術も必要ですし、コーヒーの歴史などを勉強して、知識を増やす必要もあります。
例を挙げるとして、エスプレッソ主体に推していこうと考えたとします。
「ラテアートでリーフや熊なんかも書けるし、十分じゃん」
まあ、この程度の考えで開業しようと思っている人はいないと思いますが、皆さんお気づきのとおり、考えが甘すぎます。
人の考えのレベルにもよるかもしれませんが、私であれば、エスプレッソを推すという時に、以下のようなことを考えます。
- コーヒー豆は自家焙煎(もしくは、その土地のこれだというビーンズショップで、オリジナルで焙煎)、そこにオリジナルのブレンド
- エスプレッソマシンは中〜上級(一般に出回っていないレベル)
- ミルク、シュガーにもこだわる
- ラテアートをやるのであれば、見たこともないような図柄や、ネタを用意する
- バリスタの資格を取る
ざっと考えるだけでも、ここまで挙がります。
特に、上3つは必須と考えます。
エスプレッソを例に出しましたが、ドリップだとしても似たようなものです。
「常時○十種類の豆がお試しいただけます」では、パンチが弱すぎます。
自家焙煎や、有名などこどこの豆を、だれだれ(有名人)が焙煎しましたぐらいの強烈なパンチが欲しいところです。
もう一方のフードであっても、同じです。
このカフェに来ないと、この料理は食べられない。
そういったものを開発する必要があります。
このコーヒー(飲料全般)と、フードの両立は非常に難しいです。
コーヒーがおいしいカフェは、フードはほとんど用意されていませんし、フードがおいしいカフェは、コーヒーがオマケ程度の味の店が大半です。
それなりの金額のカフェであれば、両立するのかもしれませんが、そうなるとカフェの醍醐味である、「気軽に立ちよえる感覚」はなくなり、お客様の足も遠のいてしまいます。
両立させているお店がほとんどないということが証拠ではないでしょうか
3. そのカフェの特徴は何か?
推すべき商品が決まったところで、他店との差別化が図れる部分を探します。
2はあくまで専門性の決定です。
推すべき商品が決まれば、それに沿った機材、内外観、雰囲気作りが必要になります。
おいしいコーヒーをゆっくりと味わってもらいたいと考えているのに、店の中が色んなものでガチャガチャしていて、音楽も派手なものが流れていたらどうでしょう?
フードがパーティメニューのような、大勢でワイワイ騒ぐようなモノなのに、何の音楽もなく、内観も殺風景な場所なら、どう思いますか?
極端な例ではありますが、要はそういうことです。
2で決めた専門性に基づき、提供する商品が決まっていきます。
それに沿った付加価値を見つけていくのです。
オーソドックスに考えると、「おいしいコーヒーをゆっくり」と考えるのであれば、店の造りはシンプルに、音楽も落ち着きのあるものをチョイスする必要があります。
照明も多少落としたりする工夫も必要です。
ゆっくり過ごすために、座席についても考える必要があるかもしれません。
しかし、この程度の考えは、一般に考えられることです。
難しいですが、これ以上のプラスアルファを考える必要があります。
ここで考える付加価値が、カフェの特徴を現すことになり、他店とどこが違うかを明確に差別していくことになります。
そして、おのずとそのカフェを開業した際に、迎え入れる客層(ターゲット)を決定することにもなります。
派手なラテアートのカフェであれば、インスタ映えを狙った若い女性が多く集まることになり、サラリーマンなどは近寄らないお店になります。
カフェの特徴が決まることにより、その特徴を実現するためには何が必要か、開業後にはどのような展開(客層や日々の来客状態や雰囲気)を予想しやすくなります。
これまでの1〜3については全てリンクしているような形になります。
1がブレまくるのはよくありませんが、2と3は何度も考え直す必要が出てきます。
自分の信念に基づき、お客様にどういったサービスを提供し、それにどのような付加価値をつけて、他店との差別化を図り、安定した売上を上げるための手法を考える。
これが、コンセプト作りとなります。
4. そのコンセプトを実現するために何をしなくてはいけないのか?
コンセプト作りの大枠は1〜3の作業で終了となりますが、それを実現するための計画を立てる必要があります。
その専門性を実現するために、自分のスキルや、資金は十分なのか。
これを確認し、コンセプト実現に向け、動き出す必要があります。
技術を明確にするために資格を取る必要があるかもしれませんし、他店の視察に行く必要があるかもしれません。
資金が足りなければ、その項目をあきらめ、再度、専門性と特徴を考える必要が出てきます。
堂々巡りで、終わりのない謎解きをしているようなものですが、理想と現実をできるだけ近づけるための努力をしましょう。
まとめ
「カフェ開業を成功させるにはコンセプト作りが超重要!」ということで、コンセプトつくりについて説明してきました。
信念に基づいて、考えていくことになりますが、現実をよく見て、実現可能なコンセプトを作る必要があります。
多種多様な形態が生まれているカフェ業界ですので、これがアタリでこれがハズレというものはないと考えています。
信念に基づき、自由な発想を行い、その後、煮詰めて修正を繰り返し、絶対なるコンセプトを作っていきましょう。
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