カフェ開業には適した年齢がある?学生でも開業できる?
カフェという業態は、開業のために何か特別に難しい資格が必要というわけではないため、非常に開業しやすい業態といえます。
そのため、全国各地に様々なカフェが存在し、競争を激化させている原因になっているのも、また事実です。
簡単に開業できるため、本当に誰でも開業できます。
男女はもちろん、学生から定年退職後の方まで。
しかし、まわりの新規開店のカフェなどを見ると、ある一定の年齢の方々が開業しているパターンが多いように思えます。
今回は、「カフェ開業には適した年齢がある?学生でも開業できる?」ということを探っていこうと思います。
カフェ開業に適した年齢は?
カフェ開業に関して、適した年齢などありません。
思い立ったそのときがチャンスです。
といっても、何も無計画のままで始めてよいわけではありません。
ちゃんとした見込みや計画を立て、「こうなりたい」というイメージ像を作って開業する必要があります。
そうしないと、経営方針がブレまくり、それは来店するお客様へも伝わってしまいます。
「このカフェなんかまとまりがない」
これは、そこに答えがあって見えてくるものではなく、感覚で感じる部分です。
毎日、そのカフェにいる分(経営者側)には感じにくいのですが、初めて来店された方などは、特に敏感に感じとってしまいます。
こうなると、そのカフェのイメージうんぬんよりも、その「感覚」が優先してしまい、リピーターに繋がらない結果になります。
リピーターが命とも言えるカフェの経営で、初めて来店された方へこの感覚を持たせてしまうのは良くありません。
そのためにも、決してブレないコンセプトというものが必要になります。
ブレないコンセプトを考え出す、または導き出すためには、数多くの経験を行い、知識を養い、友人関係を幅広く持つことが必要となります。
カフェ開業を年代別に考えてみる
カフェ開業を行うには、ある程度の経験や人との繋がりが必要ということがお分かりいただけたと思います。
今度は、年代別にそのときの一般的な人生の背景を考えつつ、開業に適した年齢なのかを考えてみます。
20代前半(学生期)
社会人としての経験も浅く、人との繋がりも形成されていません。
加えて、資金も用意できないでしょう。
学生時代は、学業に専念し、今後の夢を叶えるための力を蓄える期間と考えるべきです。
興味のあることには積極的に挑戦し、カフェ経営やコーヒー、料理に関する基本的な知識を勉強し、開業のための資金をコツコツと貯めていきましょう。
自治体(市区町村や県)では、若年者の起業を後押ししてくれる制度を用意しているところもありますが、「カフェ」という業態に関しては、審査が通りにくいです。
カフェ1本ではなく、新たな新事業との抱き合わせであれば、もしかするとということもあるかもしれませんが、審査が通る確率は非常に低いでしょう。
20代後半
この年代で「カフェを開業しよう」と初めて思った方は、社会人生活にも慣れ始め「使われる」という組織の一員というものが合わないと判断した方が多いではないでしょうか。
私は、使われるのが性に合わないという理由で、カフェ開業というのであれば、おすすめできません。
開業となれば、経営者となり、使われる立場から使う立場になりますが、誰のためにそのカフェを行うのでしょうか。
自分の収入のためでもありますが、その収入を稼ぐには、お客様のためにカフェの経営を行わなくてはなりません。
ある意味、お客様に使われているのです。
経営者になったからと言って、何でも自由にできるわけではないので、そこのところは勘違いしないでください。
それに、カフェの開業は、収入面で言うと大博打です。
組織の一員だったということは、毎月の収入は安定していたはずです。
それが、カフェで食べていくとなると、日銭の収入となります。
この違いは経験すると分かるのですが、とてつもない不安に駆られます。
そして、曲がりなりにも組織というものは自分を守ってくれています。
収入はもちろんですが、精神面でも守ってくれていることを忘れないでください。
何か問題が起きたときに、組織であれば自分が直接責任を取ってどうこうなるということは、ほとんどありません(自分で不正をしたりしている場合は論外です)。
相談できる仲間もすぐそばにいますし、その道のプロが同じ組織にいます。
経営者となった段階で、何かあったときの責任は、自分1人が背負うことになります。
この年代は、社会人として何年か経験を積んできて、仕事も分かる、もしくは、組織の中でリーダーシップを発揮している方もいるとは思いますが、それはその組織の中での話です。
一般常識の部分についてはまだまだ未熟ですし、組織を飛び出してしまうと何も動けないということも多々ありますので、まだまだ勉強の余地があると思われます。
30代
この年代は、資金もたまり、色々な人達とのつながりもでき、カフェ開業のチャンスと言えます。
と言いたいところなのですが、それは結婚もしていなくて、プライベート上で何も問題が発生していない場合です。
結婚していたり、恋人がいたとしても、その方が「もしもの時には、私が支える」という考えをお持ちであれば、カフェ開業に賛成してくれるとは思いますが、そうでもない限りは、反対されるのが目に見えています。
それに、結婚して順調であれば、この年代に子供を授かっているかもしれません。
そのような大事な時に、収入面が不安定、又は借金を抱えるかもしれないカフェ開業は、大きなリスクです。
周囲の意見と現実、細かいライフプランを考える必要があります。
40歳代
30歳代と同様、チャンスな時期ではありますが、周囲の環境によってはカフェ開業とはいかないかもしれません。
子供の問題ももちろんですが、今度は親の問題も出てきます。
人生80年という寿命の今日ですが、病気の発症年齢は変わっていません。
この年代に差し掛かると、親の年齢は60〜70歳となり、一番大きな病気が発症しやすい時期です。
そういう問題が全くないというのであっても、今度は「もし失敗したら」ということを考えなければなりません。
求人市場は、売り手(求人側)有利と言われていますが、それは若手や、ある一定の職種に関してです。
それに、独身で自分の食い扶持だけの稼ぎでいいというならともかく、家族がいるとなると、ある程度高い収入も必要となります。
しかし、そのような求人は多くなく(というよりもない)、40歳代では再就職口はないくらいの考えを持っておきましょう。
何か特殊技能を持っていれば、それが役に立つかもしれませんので、20代〜30代の時にどれだけの経験をしてきたかがキモになるかもしれませんね。
50代
50代でのカフェ開業は、ある程度おすすめできる年代と思います。
家族がいたとしても、独立し始めていると思いますし、自分の収入は自分のものとなっていると思います。
早期退職による、退職金の上乗せにより資金も十分かもしれません。
ただ、カフェ市場の大半を支えているのは、若い女性達です。
その流行に乗っかることの出来る、敏感な感性があるかどうかというのが、懸念材料です。
そういう敏感な感覚を常に磨いておかないと、たちまち廃業と言うことになりかねませんので、開業できたとしても、日々勉強という心構えは忘れてはいけません。
60代〜
ここからの年齢は、本業でカフェ開業というよりも、副業的な意味での開業が可能になってくる時期です。
60才になり、もう少し我慢すると年金が支給されます。
年金を生活費の軸にして、副業的にカフェの経営を行うのです。
ただし、赤字が出なければ御の字という考えになるかもしれませんが、欲を出さないと甘えてしまい廃業へ一直線となります。
経営が苦しくなり、どこかからお金を借りようと融資を考えても、本人の残された時間も少ないため、どこもお金を貸してくれません。
それに、年齢と言えば、体力的にも心配な部分もあります。
カフェの経営と言うのは、体力的にもハードですので、それを難なくこなすことが出来るか。
体と相談しながらの経営となるでしょう。
結局、どの年代でのカフェ開業が望ましいのか
カフェ開業に望ましい年齢は、自身のライフイベントやプランを良く考えた上での結果となります。
この年齢で開業すれば間違いない。
という年齢はありません。
上記の年代別で示した部分の大半はデメリットで、「これではいつカフェ開業してもリスクしかないじゃないか」と思われると思います。
ここで、ある人の名言があります。
出る前に負けること考えるバカいるかよ!
アントニオ猪木さんの名言です。
初めからそんな弱気で挑戦しては、成功するものも成功しなくなります。
何も考えず無鉄砲にカフェ開業をしてしまうと、あっという間に廃業に追い込まれ、残るものは借金のみとなってしまいますが、長い間、入念に計画を立て、シミュレーションを繰り返しておけば、いくらかそのリスクを軽減できるのではないでしょうか。
まとめ
「カフェ開業には適した年齢がある?学生でも開業できる?」ということで年代別にカフェ開業に適した年齢を探ってみました。
カフェ開業には多くの資金が必要になりますし、開業後も収入が安定しない、少ないと言うことは普通です。
それでもなお、カフェ開業を考えるのであれば、キチンとライフイベントを認識して、家族や他人に迷惑をかけないように決断する必要があります。
カフェ開業に適した年齢などありません。
ただ、無理やりのカフェ開業は、破産の道の第一歩となりかねませんので、十分に考え抜いてから実行に移しましょう。
関連ページ
- カフェ経営って儲かる?儲からない?平均年収は?
- カフェ経営って儲かるのだろうか? カフェを経営するならまず最初に知りたいことですよね。 今回は、「カフェの経営は儲かるのか?平均年収は?」という課題で説明していきます。
- 個人カフェを経営するメリット・デメリットは?
- 個人カフェを開業すると、それまでの生活スタイルは一変し、新たな人生が始まります。 それはもう、一度生まれ変わったくらいの変化が訪れます。 今回は「個人カフェを経営するメリット・デメリットは?」と題し、個人カフェの経営を行う際に起こりえる出来事を紹介したいと思います。
- カフェ経営の厳しい現実。カフェが儲からない理由とは?
- カフェ経営は儲けが少なく厳しい商売だということはなんとなくわかる人も多いと思います。 でも実際どれくらい厳しいのでしょうか? 今回はカフェ経営の厳しさと、儲からない理由を説明していきます。
- 自宅カフェ開業のメリット・デメリット、注意点を紹介!
- 自宅でカフェを開くことができれば、毎月の固定的なコスト(賃貸料)がかからなくなり、個人であれば、税金上有利になることもあります。 しかし、自宅でカフェを開くと不都合な点も多々発生してきます。 今回は、自宅カフェ開業のメリット・デメリット、注意点について説明したいと思います。
- カフェ経営のフランチャイズと個人経営のメリット・デメリットを比較!
- カフェを開業する際にフランチャイズでやるか、個人経営としてやっていくのか。 今回は、カフェを経営しようとした時に、フランチャイズで行ったほうがよいのか、個人経営のほうがよいのか、メリット・デメリットを見比べながら考えてみましょう。
- 一人でカフェ経営はできる?無理なく営業するコツは?
- カフェを経営しようと思ったとき、一人で始めようとする人が大半だと思います。 席数が少なくて一人で切り盛りできる小さなカフェ。 そんなカフェですが、本当に一人で経営できるのでしょうか。
- カフェを開業しても失敗する理由とは?失敗しないためには?
- 飲食業は、開業から3年で7割、10年で9割が廃業していく非常に厳しい世界です。 特にカフェという業種に関しては、利益も少なく、薄利多売の商売なので、実際の数字はもっと高いかもしれません。 今回はカフェ開業に失敗する理由と、失敗しないための対処法を説明します。
- カフェ開業の赤字リスクはどれくらい!赤字を回避するには?
- 「カフェを開業して儲かるのか否か。」 すでに開業した人も、売上(収入)とお客様へのサービスのバランスを常に考えながら経営を行う必要があります。 そこで今回は、カフェ開業の赤字リスクとその回避するための有効な方法を説明します。
- カフェは個人経営で開業すべき?個人と法人の違いを説明します
- カフェを開業するとき、個人経営という形をとるか、法人経営という形をとるかを決めなければなりません。 個人と法人ではどこがどう違うのか。 メリット・デメリットを踏まえながら説明していきたいと思います。